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2009年06月号-2 |
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来年度診療報酬改定は12 年度の「前哨戦」 |
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〜厚労省企画官 |
厚生労働省保険局医療課の宇都宮啓企画官は6 月11 日、日本医療経営学会が開いた夏季医療経営セミナー「経済不況下の医療経営」で講演し、「3 年後(2012 年度)の診療報酬、介護報酬の同時改定の時に、かなり大胆に物事が進むのではないか」と述べ、来年度の診療報酬改定は、それに向けた「前哨戦」に当たるとの認識を示した。 宇都宮企画官は講演で、来年度の診療報酬改定について、「まだ方向性が議論されている段階ではない」と述べ、具体的な見通しには言及しなかった。ただ、厚労省が07 年に公表した「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラム」や、政府の社会保障国民会議が昨年秋に取りまとめた最終報告、DPC をめぐる最近の動向などを踏まえれば、「大体どのような改定になるか想像できる」とした。 サービスの質向上・効率化プログラムの中で掲げた「診療報酬の包括払いの促進」については、DPC 対象病院を12 年度までに1000 病院に増やすとしていた目標を今年度に達成したものの、「基本的に包括払いを拡大する方針は変わらない」と述べた。 一方、社会保障国民会議の報告書に盛り込まれた医療・介護費用のシミュレーションについては、改革には経費を伴うとの観点を盛り込んだ「画期的なもの」と評価。報告書に沿って、急性期医療への集中的な人材投入や地域連携クリティカルパスの活用に取り組み、平均在院日数の短縮を推進する考えを示した。 従来の調整係数に代わってDPC 対象病院に適用する新たな機能評価係数をめぐる議論については、「医療機関側から『あれにコストが掛かる、これにコストが掛かる』といった主張が多くなりがちだが、コストについて患者の利点になるという視点だけは外すべきではない」と強調した。 また、新係数として来年度の導入が見送られた「手術症例数割合に応じた評価」などの項目については、12 年度以降の報酬改定で再浮上する可能性があるとした。 宇都宮企画官は、昨年度の診療報酬改定で基本方針に位置付けられた勤務医の負担軽減策については、「調査したのが(改定から間もない)10 月ということもあるだろうが、あまり進んでいない」と指摘。対策が進まない原因を検証した上で、次の報酬改定で引き続き推進を図る可能性もあるとの見方を示した。 |
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2009年06月号-1 |
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介護基盤整備などへの融資で優遇措置 |
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〜福祉医療機構 |
厚生労働省は、今年度補正予算により導入される交付金制度を利用した上で、社会福祉施設などの整備や耐震化などを福祉医療機構から融資を受けて行う場合の優遇措置を2011 年度まで設ける。 今年度補正予算では、社会福祉施設などの耐震化やスプリンクラーの整備促進を目的とした「社会福祉施設等耐震化等臨時特例交付金」に1062 億円が、定員29 人以下の小規模特別養護老人ホームなどの創設や増設に助成する「介護基盤緊急整備等臨時特例交付金」に2495 億円がそれぞれ充てられる。 6 月3 日に開かれた福祉・介護の人材確保対策についての説明会で厚労省は、事業者がこれら交付金を利用し、自己負担分について福祉医療機構から融資を受ける場合、融資率と貸付利率に優遇措置を設けると説明した。 施設整備や耐震化への融資率は、現行では「70−80%」だが、これを一律90%とする。貸付利率も、財政投融資金利より一律に0.5%低い(5 年間)。スプリンクラーの整備でも、施設整備や耐震化と同様の融資率と貸付利率が適用されるほか、貸し付け対象として有料老人ホームが追加される。
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