|
|
2022年09月号-2 |
|
5〜11歳のワクチン接種、「努力義務」適用 |
|
厚労省 |
厚生労働省は9月6日付で、5〜11歳を対象とした新型コロナウイルスワクチンの小児接種について、予防接種法に基づき協力を求める「努力義務」の適用と3回目接種を正式に開始することについて、都道府県知事や市区町村長に宛てて通知した。併せて、関連する事務連絡を発出した。 これら一連の通知事務連絡によると、小児3回目接種の体制確保にかかる経費は、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業の補助対象となり、すでに今年2月の事務連絡で示した具体的な対象経費の例についても、従来と同様に当該事業の対象となると説明。引き続き、これらの例も参考にしつつ、地域の実情を踏まえ、小児への接種体制の準備に取り組むことを求めた。 新型コロナワクチン接種後の副反応に対する診療体制の構築については、各都道府県に対し、▽専門的な医療機関を円滑に受診できる体制を確保するよう医療機関に協力依頼を行う、▽住民からの相談に対応できる体制を整備する――ことについて依頼しているところだとした。 また、小児3回目接種にあたっては、すでに配送している小児用のファイザー社ワクチンを使用するとする一方、これまで配送したワクチンについては、そのほとんどが 10月末か11月末に有効期限を迎えることから、それを考慮して早期に接種を進めることを求めた。小児用のファイザー社ワクチンの追加配送については、必要性を考慮して今後検討するとした。 |
|
|
2022年09月号-1 |
|
2023年度予算概算要求は33兆2644億円 |
|
厚労省 |
厚生労働省はこのほど、2023年度予算の概算要求を行った。一般会計は、22年度予算に比べて6340億円(1.9%)増の33兆2644億円を要求した。うち年金・医療などに係る経費は31兆2694億円を計上。こちらも22年度予算に比べ5376億円(4.7%)の増額要求となった。 厚労省は概算要求で、「コロナ禍からの経済社会活動の回復を見据え、国民の命・雇用・暮らしを守る万全の対応を行うとともに、全世代型社会保障の構築を推進し、未来を切り拓く『新しい資本主義』を実現することにより、国民1人ひとりが豊かさを実感できる社会を構築する」ことを目的に、3つの重点項目を打ち立てた。
▽コロナ禍からの経済社会活動の回復を支える保健・医療・介護の構築
▽成長と分配の好循環に向けた「人への投資」
▽安心できる暮らしと包摂社会の実現
●新型コロナウイルス感染症対策を着実に実行
「コロナ禍からの経済社会活動の回復を支える保健・医療・介護の構築」では、はじめに「新型コロナウイルス感染症対策の着実な実行、次の感染症危機に備えるための対応能力の強化」を掲げ、経済社会活動の正常化に向け、ワクチンの普及や医療等提供体制の強化し、新型コロナウイルス感染症対策を着実に実行していくとした。 具体的には、▽新型コロナワクチン接種に係る体制の確保、治療薬の確保、水際対策の着実な実施、▽新型コロナウイルス感染症下での感染症患者への対応を行う医療機関に対する病床確保等の支援、▽新型コロナウイルス感染者などが発生した介護事業所などのサービス継続支援――を挙げた。これらは事項要求とされ「年末の予算編成過程に向けて検討」していく。 さらに、▽次の感染症危機に備えるための体制の確保97億円(抗インフルエンザウイルス薬の備蓄、国立感染症研究所における検査・疫学調査などの体制の強化、保健所・地方衛生研究所の体制・機能強化)、▽ワクチン・治療薬などの研究開発の推進43億円(ワクチンの大規模臨床試験などの支援、感染症危機に備えるための治療薬などの国際的な開発動向調査、新興・再興感染症に対する研究開発の基盤となる臨床情報などのDBの充実、アジア地域における臨床研究・治験ネットワークなどの充実)――などが要求された。
●医療DXでデータ利活用などを推進
医療・介護分野でのDXによりデータ利活用などを推進し、安心で質の高い医療・介護サービスの提供の実現を目指す。そのために、▽電子カルテ情報の標準化に向けた「保健医療情報拡充システム」の開発7億7000万円、▽電子カルテ情報の標準化の推進に向けた「高度医療情報普及推進」9200万円――を要求している。
●医師の働き方改革の推進
2024年度から勤務医の時間外労働を原則960時間以内に制限するなどの「医師働き方改革」に向けては、以下を求めている。
▽医療従事者の勤務環境改善推進3100万円(都道府県に設置される「医療勤務環境改善支援センター」のアドバイザーに対する指導・助言、活性化、アウトプットを意識した研修会開催など)
▽医師の働き方改革普及啓発1億5000万円(国民に対し「医師の働き方改革」を理解してもらうための、インターネット上の動画放映、普及啓発用ポスター作製など)
▽医療従事者の確保・定着に向けた勤務環境改善のための取り組み9億3000万円(都道府県の医療勤務環境改善支援センターへの労務管理の専門家〈医療労務管理アドバイザー〉の配置)
●地域医療構想の実現に向けて
「地域医療構想の実現」に向けては、以下を要求した。
▽地域医療介護総合確保基金(医療分)の確保751億円(地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設・設備整備、病床機能・病床数変更、在宅医療整備、医療従事者の確保、勤務医の労働時間短縮に向けた体制整備を支援)
▽地域医療構想の実現に向けた医療機能分化・連携支援2億5000万円(地域医療構想を推進するための課題の調査・分析、再編等を検討している医療機関等から、重点的支援区域における病院再編の支援など)
▽地域医療提供体制構築に向けたデータ分析支援3億6000万円(都道府県における医療提供体制に関する「データ分析チーム」の構築支援、地域医療構想専門アドバイザーのリスト化、派遣など) |
|
|
|
|
|