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2024年04月号-1 |
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24 年度診療報酬改定の疑義解釈示す |
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厚労省 |
2024 年度の診療報酬改定が 6 月に施行されるのに先立って、厚生労働省は、「疑義解釈資料」(その 1)を地方厚生局などに 3 月 28 日付で出した。 「救命救急入院料」「特定集中治療室管理料」「小児特定集中治療室管理料」などに配置する専任の医師を「宿日直を行う医師ではないこと」とする基準に関しては、治療室に勤務する専任の医師が、宿日直を行う医師ではないことを求めるものだと説明した。 厚労省は、新たな規定が、これらの入院料や管理料を届け出る病院に、宿日直許可を取得していないことを求めるものではないとしている。 また、治療室に勤務する医師が宿日直を行う医師ではないものの、宿日直許可を取得している業務に従事する場合の取り扱いに関しては、「宿日直許可を取得している業務に従事するかにかかわらず」、専任の医師が治療室に勤務している間は宿日直を行わないよう求めた。 24 年度の診療報酬改定では、救命救急入院料、特定集中治療室管理料 1−4、小児特定集中治療室管理料のほか、「新生児特定集中治療室管理料 1」「新生児特定集中治療室重症児対応体制強化管理料」「母体・胎児集中治療室管理料」の施設基準として、治療室に配置する専任の医師が宿日直を行う医師ではないことを明確化した。 一方、特定集中治療室管理料では、宿日直も行う専任医師を配置した場合も算定できる管理料 5 と 6 が新設される。点数が低い特定集中治療室管理料 5 や 6 への切り替えを避けるため、病院団体には、「病院によっては宿日直許可を返上せざるを得ない」という声があった。 診療報酬の改定に伴い新しい点数が原則 6 月 1 日から適用されるのに先立ち、厚労省の疑義解釈では、見直し後の詳しい運用を Q&A 形式で示した。 特定集中治療室管理料 1 と 2 では、「生理学的スコア」(SOFA スコア)の判定が入室日に 5 以上(管理料 3 と 4 では 3 以上)の患者の割合を、直近 1 年間の入室患者の 1 割以上とする基準が追加される。厚労省によると、「入室日」とは患者が治療室に入った初日を指す。 また、入院期間が通算される 1 回の入院で患者が複数回 ICU に入室した場合は、初回の入室日に SOFA スコアを測定するという。入室日に SOFA スコアを 2 回以上測定した場合は、最も高いスコアを採用する。 SOFA スコアは、呼吸機能・凝固機能・肝機能・循環機能・中枢神経機能・腎機能の 6 つをそれぞれ 5 段階の点数でスコア化し、多臓器不全の度合いを判定する指標。
●地域包括医療病棟内にはリハ専用設備「不要」 厚労省は、2024 年度診療報酬改定の「疑義解釈資料」(その 1)で、「地域包括医療病棟入院料」の届け出病棟内にリハビリテーションを行う専用の設備は必要かの質問に「不要」とする取り扱いを示した。 また、地域包括医療病棟入院料の算定要件のうち、必要な検査や CT 撮影、MRI 撮影を常時行える体制の整備を求める施設基準に関しては、救急患者にそれらを実施できるならオンコールの職員が対応する体制でも「差し支えない」としている。 さらに、「リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算」(1 日 120 点)を算定した患者がその後、「リハビリテーション・栄養・口腔連携加算」(1 日 80 点)を届け出ている院内の地域包括医療病棟に移った場合は、連携体制加算との通算で 14 日間に限り連携体制加算を算定できるという。 リハビリテーション・栄養・口腔連携加算の後にリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算を算定する場合も同じように取り扱う。 地域包括医療病棟入院料とリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の施設基準では、常勤の管理栄養士の専任配置をそれぞれ求めている。管理栄養士の専任配置はいずれも 1 人につき 1 病棟に限るとされていて、それらは兼務できない。 リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算とリハビリテーション・栄養・口腔連携加算は、リハビリや栄養管理、口腔管理を連携・推進する取り組みへの評価として新設され、そのうち連携加算は地域包括医療病棟で算定する。 これらの加算の施設基準では、低栄養リスクの高い患者を中心に食事の状況を観察し、食欲や摂取量を週 5 回以上、把握することとされている。 厚労省によると、全ての患者の状況を 1 回の食事で確認する必要はなく、週 5 回以上の食事で計画的に確認できれば差し支えないという。 必要なら 1 日に 2 回確認してもいいが、同じ日に複数回行った場合は「1 回」としてカウントする。 |
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