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2012年12月号-2 |
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介護事業所の消費税の実態調査案を提示 |
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〜厚労省、社保審介護事業経営調査委で |
厚生労働省は、4日に開かれた社会保障審議会の介護給付費分科会介護事業経営調査委員会(委員長=田中滋・慶大大学院教授)に、介護事業所の消費税負担を把握するための調査案を提示した。2014年4月に8%、15年10月に10%まで消費税率が引き上げられることを踏まえた提案で、14年4月に間に合わせるため、来年1月には調査を開始し、年度内には結果をまとめるとしている。 既に中央社会保険医療協議会の診療報酬調査専門組織では、14年4月の消費税率引き上げに向け、医療機関の高額投資などに関する消費税負担の実態を調査する方針が固まっている。こうした動きを受け、厚労省では介護施設や介護事業所でも同様の調査を行う案をまとめた。 調査案では、対象サービスとして、介護保険3施設を中心に、訪問介護や訪問看護、通所介護、特定施設入居者生活介護など18サービスを指定。今年4月に導入された定期巡回・随時対応型訪問介護看護も対象となっている。一方、事業所数が少ない複合型サービスなどは対象外となった。調査対象となるのは4100余りの事業所で、特に介護保険3施設については、それぞれ500事業所ずつが対象になっている。 また、具体的な調査内容については、事業所から直近に終了した事業年(あるいは事業年度)の固定資産台帳や設備投資の状況などを尋ねた調査票を回収した上で、消費税が介護事業所の経営にもたらしている影響などについて分析する方針。 厚労省が提示した調査案に対し、委員からは「調査対象に通所リハビリテーションを含めるべきではないか」「データ分析に際しては、法人種別や開設年別、地域区分別での分析も行ってほしい」などの意見が上がった。厚労省では、同日の議論を踏まえて調査方法を調整した上で、来年1月の調査開始を目指す。
■増額改定や例外的な税率を求める意見も−関係団体ヒアリング
この日の委員会では、消費税の負担に関し、関係団体からのヒアリングも行われた。全国老人福祉施設協議会の桝田和平・介護保険事業経営委員会委員長は、消費 税率引き上げ後も介護保険事業を非課税事業とする場合は、▽税率引き上げに伴うサービスコストの増大は介護報酬の上乗せで、食費・居住費については、基準費用額と補足給付の見直しで、それぞれ対応する▽新たな施設整備費や大規模改修費などの消費税については、特別な扱いで公平性を保つ−などを求めた。 全国老人保健施設協会の内藤圭之副会長は、厚労省が提案した調査について「日常的サービス提供に関する負担の状況も明確化してほしい」と主張。日本慢性期医療協会の安藤高朗副会長は、医療機関の負担増を回避するためにも、▽保険診療を消費税の課税対象とした上で、医療費はゼロ税率か軽減税率とするなどの措置を講じる▽医療機器や医療材料費などを非課税にする−のいずれかの対策を導入するよう要望。さらに「医療サービスの質向上を図るため、医療関係の設備投資について例外的な税率を設けてほしい」と述べた。全国特定施設事業者協議会の市原俊男代表理事は、介護事業者にとって消費税率引き上げは、仕入れの物件費値上げと同義と指摘した上で、「介護報酬の増額改定を実施してほしい」と訴えた。 |
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2012年12月号-1 |
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診療所、高齢者患者3年で15%増 |
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〜厚労省調査、アルツハイマー大幅増 |
3年に1度、大規模に実施している厚生労働省の「患者調査」で、一般診療所の外来患者数が65歳以上で大幅に増えていることが分かった。2008年の前回調査に比べ、11年は65歳以上で14.7%、75歳以上に限れば22.2%増え、全年齢でも12.9%増加した。病院の外来患者は2.2%減った。傷病別にみると、アルツハイマー病患者が1.5倍以上となり、高脂血症など生活習慣病も大幅に増えた。 調査期間は、2011年10月のうちの3日間。抽出した病院6428、一般診療所5738、歯科診療所1257で、入院・外来患者約233万5000人の情報を集めた。今回は対象地域から、福島県と、宮城県の石巻医療圏、気仙沼医療圏を除いた。 調査日の推計外来患者数は726万500人で、2008年の福島と、宮城の2医療圏を除いた地域における外来患者数より51万6600人増えた。このうち、65歳以上は332万9900人で45.9%を占めた。一般診療所の患者数は、全年齢で423万8800人、65歳以上は201万400人だった。入院の推計患者数は134万1000人で、前回 調査に続き減少。このうち65歳以上は、前回調査では減っていたが、今回は0.1%増え、75歳以上では3.4%の増加となった。 傷病別でみると、増加率ではアルツハイマー病が目立ち、患者数は36万6000人と推計された。総数では高血圧性疾患、糖尿病、高脂血症と生活習慣病が多く、増加率も大きかった。ウイルス肝炎の患者数は、前回の31万3000人から20万6000人と大きく減少した。 |
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